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itm-article [こごと] アナログとデジタル

「あいつはアナログ人間だ」よく言ったりする。しかし、アナログとデジタルについて仕事にしていると、なにか奇異に感じる。

アナログ(analogue)を語源辞典で引いてみた。logos=論理、理性という語にanaという接頭語がついたものであるようだ。anaには、back, again、anewという意味がある。総じて言うなれば、アナログとは、本来とらえどころない対象を、論理や理性にあるいは論理や理性からフィードバックするという意味である。

一方、デジタルは、数を数える指、あるいは、楽器の鍵盤をコントロールする指を表す。計測の手段を示す言葉である。数を数えるとき、対象物を抽象化し、みかんが一つも、リンゴが一つも「人差し指一本」に対応づける。これがデジタルだ。楽器の音階の一つの音を、鍵盤の一つ対応付ける。これもデジタルだ。広い意味で言えば、言語も森羅万象を有限個の記号に分離、対応させる仕組みととらえることができる。

「あいつはアナログ人間だ」というのは先端技術についていけない人といったような意味なのだろうが、アナログとデジタルの語源を探っていくと、それらは人間の世界の認知方法に関わる深い思考から生まれてきた言葉といえる。

そしてもう一つ気づくことは、アナログとデジタルは対義語のように使われているがそうではないということだ。論理や理性と言語というところではアナログとデジタルはつながっているように思われる。

2008年09月06日

投稿者 admin : 10:10 | トラックバック

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